モノは安いからと言って売れる訳ではないその理由

人は基本的には安い物を求めがちです。

主婦や主夫でしたら新聞折り込みチラシを見て今日はスーパーで安い食料品は無いかチェックしますし、デパートの季節ごとのバーゲンに人が殺到するのも、「通常価格よりも出来るだけ安い値段でゲットしたい!」という気持ちがあるからですよね。

出来るだけ手持ちのお金を減らしたくないという気持ちは、ほとんどの人が持っています。
ですが、最近はコンビニでプレミアムなサンドウィッチが売れていたり、高級ブランドのお店が潰れないのには理由があります。

その理由とはどんなものなのでしょうか?

素材にこだわった”本当に良いもの”を求めているから

今朝、こんな記事を読みました。

「牛乳1瓶千円! それでも売れる理由」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170612-00000002-withnews-bus_all

なんでも岩手県の山中で自然放牧を営む「なかほら牧場」というところの1瓶税込1,188円もする牛乳が人気だそうで、東京にも出店するほどだそうです。

私はスーパーに行くたびに150円ぐらいの牛乳を買っていて少しでも安い牛乳を買ってしまうので、10倍近くの値段がする牛乳なんてどんな味がするんだろうと思う反面、なかなか手が出せません。

 
この記事の中には、

食へのこだわりを持ったり、食と健康の関係に気づいたりする消費者が増え、徐々にではあるけど、私たちの牛乳への支持は広がっている。

と書かれています。

この通り、最近は人々の健康意識が高まり、素材にこだわった“本当に良い物”を求めている人が増えています。

そういった人達は、今健康に気をつけておくことは未来の医療費削減にもつながるので、多少他よりも高くても先行投資であると考えています。また、自分の子供が口にするものはなるべく良い物をと考えている人も多いでしょう。

 
それにプラスして、「高い=おいしい」と人は考えてしまいがちですので(実際に高いものはおいしいものが多いですよね)、少々高くてもおいしい物を食べたいと思う人も増えたのでしょう。

それがコンビニのプレミアムサンドウィッチが売れる理由の一つでもあります。

 
化学製品や加工物を使うと量を沢山作れますので、その分販売価格も安く提供できます。

上で紹介した記事の牛乳の様に、こだわった生産方法だとどうしても出来上がる量が少なくなってしまうのでその分高くなってしまいがちですが、身体に良くない人工的な材料は少ないので、そういった物を意識して食べることで健康につながると考えます。

貧困層の方が太っている理由

どこかで、「先進国では富裕層よりも貧困層の方が太っている」という記事を読んだことがあります。
[br num=”1″] その記事によると

貧困層はどうしても食費を削ろうとするので、安い炭水化物を多く摂取してお腹を満たそうとする

と書いてありました。
牛丼が400円以内で食べられたり、スーパーやコンビニを見てみても、おにぎりやパンなどの炭水化物は安いですよね。

野菜は値段のわりにすぐ無くなってしまいますし、炭水化物よりはお腹を満たすことができません。

また、安い物には化学製品や加工物が多く使われている傾向にあるので、そういった成分を多く摂取することでも太りやすくなってしまうそうです。

化学製品には中毒性があるからですね。
一方富裕層は食費に余裕があるので、安さよりも質にこだわる傾向にあるそうです。

炭水化物以外の物も十分に食べることができますし、化学製品を摂取する機会が少なくなることで身体にあまり良くない物への中毒になる可能性も低くなります。

ですから、富裕層は貧困層に比べてあまり太っていない人が多いとのことでした。

もちろん例外はありますけどね。

“高い物=良い物”という先入観があるから

本当の価値がわからなくても、どうしても人は“高い物=良い物”という先入観でものを見てしまいがちです。

もちろん上記の通り素材や工程にこだわって高い物も沢山ありますが、中には高いからと言って大して良くないという物も世の中には沢山あります。

物を買う時はしっかりとその価値を見極めて買い物をしたいですね。

“プレミアムな自分”を感じたいから

“高い物を買える自分”、”高い物を持っている自分”を体感すると、人は良い気分になります。

思い切って良い物を買った時って、テンションがかなり上がりますよね。

普段買っている150円の牛乳ではなく1回だけでも1,000円の牛乳を買った時って、”プレミアムな自分”を感じられて優越感すらも感じてしまいます。

そういった高揚感を感じたくて、高い物を買ってしまうというのも理由の一つです。

買い物をする時の動機は、テンションとノリ

高い物が売れるのは、食べ物だけではありません。

私は以前不動産会社で働いていましたが、不動産に関しても「安いからと言って売れる訳では無い」とつくづく実感していました。

 

会社のとある持ち物件を売る際、いつまでも社長が物件の値段を下げないので「そろそろ下げた方が良いんじゃないかなあ」と思っていました。

社長もなかなか売れないことは気にはしていたみたいですが、「値段を下げたからと言って売れる訳ではない」とよく言っていました。
実際その物件はその1ヶ月後に出した時の値段のまま売れたのを見て、「売れる時には売れるんだなあ」と思った経験があります。

その物件を買ってくれた人は、物件の外観をチラッと見ただけで「なんか気に入ったから買います」と即決でした。

不動産を買う動機も同じ

不動産は”人生で一番高い買い物”と言われていますが、そんな不動産を買う時の動機って意外とテンションだったりノリだったりします。
マイホームを買う時、もちろん大体の予算を考えながら色んな物件を見に行きますよね。

ですが、結果的に買ったのは予算オーバーの物だったという経験、家ではなくても普段の買い物でもあるのではないでしょうか?

 

その時に気分が良くてテンションが上がっていたり、営業マンのノリの良いトークに乗せられたり(営業マンはそれが仕事ですね)、子供が気に入っているから勢いで買ってしまったりと、意外と物件の購入を検討している時ってお金のことは考えていないものなのです。
デパートやスーパーでの実演販売も同じです。

本当にその物が良い可能性もありますが、実演販売しているお兄さんのテンションに乗せられて買ってしまったり買いそうになってしまった経験のある人もいるのではないでしょうか。
私が体験した様に「値段がいくらでも売れる時は売れます」し、人の動機って意外とそんな大したものではないので(笑)、売る側が相応の価値を感じて値段を付けたのであればその値段で売れる可能性は多いにあります。

もちろん法外に高い値付けはぼったくりになりますが、買う本人が納得しているのであればそれはそれで良いでしょう。
その時の営業マンの腕が良かったのか、その人の気分が良かったのか、景気が良かったのか人それぞれですが、意外と人が高い物を買う時の動機ってそんなものなのです。

良いものを体験することは視野を広げる

どんな事でも、日常の体験とプレミアムな体験どちらも経験してみることは、自分の視野を広げることになります。
物は比較してみないとどっちが良いのかわかりませんよね。

もしかしたら普段使っている物の方が自分にとっては良いと感じるかもしれません。
その”差”を1度でも感じることは、自分の引き出しを増やすことにもなるので、自分のお金の範囲内で出来ることであれば体験してみるのをおすすめします!