株式投資における「板」と「歩み値」の見方over/underや色の意味まで徹底解説!

はじめに:チャートの裏にある“リアルな注文情報”を読み解こう

テクニカルチャートや指標に慣れてきた人が次に学ぶべきは、「板(いた)」と「歩み値(あゆみね)」です。
これらはリアルタイムの注文状況を映し出す“市場の心電図”とも言える情報で、参加者の心理や動きを把握するための最重要ツールです。

この記事では、初心者にもわかるように「板の見方」「歩み値の活用法」「over/underとは?」「色の意味は?」まで、徹底的に解説していきます。


目次

  1. 板情報とは?基本構造を理解しよう
  2. over/underとは何か?需給バランスを示すヒント
  3. 歩み値とは?タイム&セールス情報の活用法
  4. 板・歩み値に使われる「色」の意味とは?
  5. 実践で役立つ板・歩み値の読み方3パターン
  6. 板読みが得意な銘柄・不得意な銘柄の特徴
  7. よくある勘違いと注意点
  8. まとめ:チャートの“裏側”を読む力を育てよう

1. 板情報とは?基本構造を理解しよう

板(気配値)は、**「いくらで買いたいか」「いくらで売りたいか」**の注文一覧です。

売り注文価格買い注文
1,500株500円
1,000株499円
498円1,200株
497円1,000株
  • 中央の「現在値」に近い価格帯で、どちらの注文が厚いかが重要
  • 板は秒単位で変化しており、動きが活発な銘柄ほど情報量が多い

2. over/underとは何か?需給バランスの“ざっくり指標”

多くの証券アプリでは「over / under」という表示があります。

表記意味
over(オーバー)売り注文の合計株数(売りたい人)
under(アンダー)買い注文の合計株数(買いたい人)

例えば:

  • over:50万株
  • under:10万株
    → 売り注文が圧倒的に多く、「上値が重そう」と判断されます。

逆にunderが多ければ「買い意欲が強い=下値が堅い」と考えられます。


3. 歩み値とは?タイム&セールスで見る“実際に成立した取引履歴”

歩み値は、**「どの価格で、何株、どちら側(買いor売り)で約定したか」**を記録したデータです。

時間価格株数区分
9:01:15500円2,000株買い(赤)
9:01:17499円1,000株売り(青)
  • 時間の経過とともに、どちらの約定が優勢かを見ることでトレンドの強弱をつかめる
  • 大口の連続約定(いわゆる“板食い”)は上昇トリガーになることも

4. 板・歩み値に使われる「色」の意味とは?

多くの証券アプリやツールでは次の色で表示されます:

意味
赤(ピンク)系成行買い(買い優勢で約定)
青(緑)系成行売り(売り優勢で約定)
白・グレー板の静止中、または中立

この「色の流れ」を追うことで、買い/売りの勢いの変化を視覚的に把握できます。


5. 実践で役立つ板・歩み値の読み方3パターン

① 上値ブレイク前の“売り板が消える”動き

→ ブレイク直前に売り板が急激に薄くなり、大口の成行買いで突破されるケースあり

② 大量の歩み値買い(赤連続)

→ 特に同じ価格帯で連続約定していると「買い板吸収中」の可能性が高い

③ 下値で板が膨らみ、歩み値も青に傾く

→ 調整入り or 下落前兆として警戒


6. 板読みが得意な銘柄・不得意な銘柄の特徴

得意な銘柄不得意な銘柄
出来高が多く、板が厚い(例:東証プライムの人気株)値がさ株・流動性のないマイナー株
テーマ株・材料株機関投資家主導の銘柄(板がフェイク含む)

7. よくある勘違いと注意点

  • “売り板が多い=下がる”とは限らない
    → 見せ板や“逆に買いが仕込まれている”ケースも多い
  • over/underの比率だけで判断しない
    → 実際の歩み値・チャートとセットで見ること
  • 歩み値の色だけ見て逆張りするのは危険
    → その色の“背景”を見る(どの価格帯で、どれだけ連続しているか)

8. まとめ:板と歩み値を使いこなせば、“相場の呼吸”が見える

板情報や歩み値は、まさに「相場の空気感」をリアルタイムで伝えてくれるデータです。

チャートのように“後追い”ではなく、“今まさに何が起きているか”を感じ取るツール
最初は難しく感じるかもしれませんが、見続けることで直感が鍛えられ、エントリーと利確の精度が向上します。

これから板・歩み値を意識することで、
「勝率が少しでも上がる」そんな変化が起きてくるはずです。